私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

「サマーウォーズ」

2009-08-10 20:30:38 | 映画(さ行)

2009年度作品。日本映画。
高校2年の夏休み、天才的な数学力を持ちながらも内気な性格の小磯健二は、憧れの先輩、夏希にアルバイトを頼まれる。二人が辿りついた先は、長野にある彼女の田舎。そこにいたのは総勢27人の大家族。夏希の曾祖母・栄は、室町時代から続く戦国一家・陣内(じんのうち)家の当主であり、一族を束ねる大黒柱だ。栄の誕生日を祝うために集った、個性豊かな「ご親戚」の面々。そこで健二は突然、夏希から「フィアンセのフリをして」と頼まれてしまう。
監督は「時をかける少女」の細田守。
声の出演は神木隆之介、桜庭ななみ ら。



この映画の何がおもしろいかは理解できる。
だがこの映画をおもしろいと言い切ることはできそうにない。
それが映画を見終わった後の率直な感想である。

本作はおもしろくなりそうな要素が、たくさん盛り込まれている。
小さなできごとから始まった物語が、世界を救うというスケールの大きな話に発展する様は単純にワクワクできそうだし、アクシデントは頻発して飽きさせない。張った伏線もきれいに消化されているのも見事だし、アクションシーンも充実している。
登場人物は多いけれど、キャラ付けはそれぞれしっかりできているし、主要キャラにはちゃんと見せ場も用意されている。いくつかのシーンは笑えるし、映像も特にOZのところはきれいだ。
冷静に見て、いい面は多い。

だけどなぜだろう。僕はこの物語に入りきれなかった。
楽しめないわけじゃないけれど、それほどでは、と思ってしまう。

細田守の前作、『時をかける少女』がべらぼうにおもしろかったので、期待しすぎたのだろうか。
理由を考えているが、自分でもよくわからない。
この言葉をなるべく使いたくはなかったが、一言で言えば、合わないのである。
最終的には、個人の感性の問題としか言いようがない。


もちろん、この映画のすべてが悪いわけではない。
上記のように、いい要素はたくさんあるので、そこそこは楽しめるし、ラストに至るまでの流れはなかなかカタルシスを得られる。
特に家族全員での花札以降の流れはいい。最後の最後はじーんと胸に響く。

個人的にはあまり評価はできそうにない。だが楽しめる人には楽しめるのだろう。
それだけの美点を備えた作品であるということだけは、まちがいない。

評価:★★★(満点は★★★★★)



製作者の関連作品感想
・細田守監督作品
 「時をかける少女」

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